2021年にFacebook(現Meta)がサングラスブランドのRay-banとコラボして、Ray-ban storiesというメガネを発表して話題になりました。
残念ながらまだ日本では正式に販売されていませんが、amazonで購入することができます。

本記事では、まず最初にRay-ban storiesの概要とメガネ型デバイスの概要を簡単に説明します。
次に、Ray-ban storiesの基本スペックを紹介し、BoseとHUAWEIの類似製品と比較しています。
最後に、5種類以上のオーディオグラスを試してきた私が、Ray-ban storiesを実際に使ってみたレビューをメリット・デメリットも含めて正直に書きました。
本記事を読めば、Ray-ban storiesの詳細なスペックだけでなく、リアルな使用感についても分かります。

Ray-ban storiesを購入する際の注意点も説明するので、ぜひ最後まで読んでください!
Ray-ban Storiesとは
Ray-ban storiesは、「第一世代スマートグラス」
スマートグラスと聞くと、レンズがディスプレイになっていて、スマホのような機能をもったメガネを想像するかと思います。


ですが、Ray-ban storiesにはディスプレイはついていません。ついているのはスピーカー、マイク、そしてカメラ。
カメラがついているという点で、他のオーディオグラスとは一線を画しています。
なので良く言えば、「第一世代スマートグラス」ですが、悪く言えば「カメラがついただけのオーディオグラス」です。
その点はあらかじめ頭にいれておいてください。
本当の意味でのスマートグラスは現在Facebookを始め、GoogleやAppleといった巨大企業が力を入れて開発中の段階なのです。
Ray-ban Storiesの基本スペック
Ray-ban storiesはテンプルにスピーカーを搭載したオーディオグラスです。
製品 | Ray-ban stories |
---|---|
発売日 | 2021年9月9日 |
定価 | 299ドル |
amazon価格(2023年3月調査時) | 57,900円 |
カラー | 下記参照 |
レンズ交換 | 不可 |
重量 | 約50g |
Bluetooth | 5.0 |
コーデック | 開示なし |
バッテリー持続時間 | 最大6時間 |
充電方法 | 専用充電ケース+USBタイプC |
防塵・防水 | なし |
同梱物 | 本機、充電ケース、USBタイプC、クリーニングクロス、収納袋 |
公式ホームページ | Meta |


2021年の9月に発売されており、定価は299ドル(3万円程度)ですが、日本で正式に販売されておらず、amazonで5万円を超えています。
メガネの形状はRay-banでおなじみの形状Wayfarer、丸形のRound、クラシックなMeteorの3種類あり、レンズもクリア、サン、トランジションから選べます。
フレームのカラーバリエーションは下の表のようになっています。
種類 | シャイニーブラック | マットブラック | シャイニーブラウン | シャイニーオリーブ | シャイニーブルー |
---|---|---|---|---|---|
Wayfarer | ![]() ![]() | ![]() ![]() | ![]() ![]() | ![]() ![]() | ![]() ![]() |
Round | ![]() ![]() | ![]() ![]() | |||
Meteor | ![]() ![]() | ![]() ![]() |



今のところ日本ではWayfarerしか買えへんわ…
他のオーディオグラスと比較
Ray-ban storiesと他のオーディオサングラスを比較表にまとめました。
ここでは、サングラス型のBose Frames Sopranoとメガネ型のHUAWEI Eyewearを載せています。
製品 | Ray-ban stories![]() ![]() | Bose Frames Soprano![]() ![]() | HUAWEI Eyewear![]() ![]() |
---|---|---|---|
発売日 | 2021年9月9日 | 2020年11月5日 | 2021年7月13日 |
定価 | 299ドル | 33,000円 | 43,780円 |
amazon価格(2023年3月調査時) | 57,900円 | 24,364円 | 36,190円 |
カラー | 下記参照 | ブラック | ブラック |
レンズ交換 | 不可 | 可能 | 不可 |
重量 | 約50g | 49.89g | 44.2g |
Bluetooth | 5.0 | 5.1 | 5.2 |
コーデック | 開示なし | 開示なし | AAC/SBC |
バッテリー持続時間 | 最大6時間 | 最大5.5時間 | 最大5時間 |
充電方法 | 専用充電ケース+USBタイプC | 専用充電ケーブル | 専用充電ケース+USBタイプC |
防塵・防水 | なし | IPX2 | IP54 |
同梱物 | 本機、充電ケース、USBタイプC、クリーニングクロス、収納袋 | 本機、偏光レンズ、キャリングケース、充電ケーブル、クリーニングクロス | 本機、充電ケース、USBタイプC、クリーニングクロス |
公式ホームページ | Meta | BOSE | HUAWEI |
Bluetoothのバージョンは5.0で最新ではないですが、特に気にする必要はありません。普通に使えます。
音の遅延や音質に影響するコーデックは非開示ですが、おそらく他のオーディオグラスと同様にAAC/SBCだと思います。
- コーデック:音声データの圧縮方式。音の遅延と音質に関わる。
- AAC:iphoneに対応しているコーデック。SBCより遅延が少なく高音質と言われている。
- SBC:基本のコーデック。製品により差はあるが遅延を感じる。音質は上から下までさまざま。
オーディオグラスについては別の記事でさらに詳しく比較しているので、参考にしてみてください。
Ray-ban storiesのレビュー
Ray-ban storiesを実際に使って分かった正直なレビューを書いていきます。
項目 | 点数 | ひとことレビュー |
---|---|---|
外観 | 4.5 | Ray-banだけあってかっこいい |
装着感 | 4.0 | 走ってもズレない |
音質 | 3.5 | 音質は普通 |
音漏れ | 2.0 | 音漏れはする |
操作性 | 5.0 | 操作は簡単で分かりやすい |
アプリ | 未評価 | 日本でダウンロード不可 |
バッテリー | 4.5 | 6時間もつのは長い |
充電方法 | 5.0 | オーディオグラスにとって理想的な充電ケース |
防塵・防水性 | 1.0 | 定められていない |
メガネケース | 4.0 | シンプルだけど少し大きい |
総合評価 | 3.0 | スペックは高いが… |
【外観】Ray-banだけあってかっこいい
Ray-banといえば、世界最高峰のサングラスブランド。
Ray-ban storiesはRay-banが絡んでいるだけあって、見た目はかっこいいです。
写真はWayfarerのシャイニーブラックで、名前の通り光沢のある黒色をしています。


最大の特徴はフレームの端にカメラがついていることです。カメラのサイズは直径5mmの円形。


テンプル(つる)部分の最大幅は1.6cm程度で、Ray-banの通常のサングラスと比べるとかなり太めです。


【装着感】走ってもずれない
装着感を左右するのが、鼻パッドとテンプルのホールド。
Ray-ban storiesの鼻パッドは独立タイプではなく、フレーム一体型となっています。


鼻パッドは低めですが、テンプルのホールドが痛くならない程度に強いので、走ってもズレ落ちるということはありませんでした。
重量は約50gです。
一般的なメガネが30g程度なので、それと比べると重いですが、装着してみると思ったほど重いとは感じません。
【音質】音質は普通
音質は可もなく不可もなくといった印象。
高音域 | 中音域 | 低音域 |
---|---|---|
4.0 | 4.0 | 3.0 |
オーディオグラス全般に言えることですが、音質は最低限のものが多く、ワイヤレスイヤホンやヘッドホンと比べると劣るのが事実です。



オーディオグラスと同様にオープンイヤー型のイヤホンを探している、かつ音質を気にする人はshokzの骨伝導イヤホンopen run proがいいと思うわ!
【音漏れ】音漏れはする
Ray-ban storiesはオープンイヤー型のデバイスである以上ある程度音漏れはします。
音漏れの程度ですが、道路や公園のように環境音がある場所で使う場合はまったく気にならないレベルです。
サングラスなので、そもそも外で使用したいという人が多いと思います。そのぶんには問題なし。
ただし、静かな場所だと3~5mくらいの範囲でシャカシャカ音が鳴っているのは分かります。
カフェや図書館など静かな場所では音量をギリギリまで下げるか、使用しないのが良いかと思います。
【操作性】操作は簡単で分かりやすい
Ray-ban storiesの操作は簡単です。
電源ボタンは左のテンプルについています。
- 電源オン:ボタンを右にスライドし離す
- 電源オフ:ボタンを左にスライド
カメラのシャッターボタンは右のテンプルについています。
- ボタンを押す:ビデオの録画開始/終了
- ボタンを長押し:写真を撮影
また、右テンプルにはタッチセンサーも搭載されており、タップとスワイプに対応しています。
操作 | 機能 |
---|---|
タップ | 再生/停止 |
ダブルタップ | 前にスキップ |
トリプルタップ | 後ろにスキップ |
スワイプ | 音量調節 |
実際の操作性ですが、センサー部分に指が触れていればしっかりと反応します。



個人的に曲のスキップができるのは嬉しい!
【アプリ】日本でダウンロード不可
Ray-ban storiesには専用アプリFacebook Viewが存在します。


残念ながら、Facebook Viewは現在日本でダウンロードすることができません。
このアプリがないと撮影した写真や動画を確認することができないので、せっかくカメラがついている意味がありません。
ですが、Facebook Viewを日本で使う裏技が2つあります。
- 海外のApple ID(もしくはGoogle アカウント)を新規作成してダウンロードする
- 野良アプリ(公式ではないアプリ)を使う
これらの裏技に関しては、公式のものではないので実行する際は自己責任でお願いします。
スマホ辞典YouTubeさんという方が野良アプリをダウンロードして、カメラ性能をチェックしている動画をアップしているので、アプリとカメラ性能についてはこちらを参考にしてください。
【バッテリー】6時間もつのは長い
バッテリーの持続時間は最大6時間です。
1日中オーディオグラスをかけたままで、1日中音楽を聴いたり、会議に参加したりすることはそうそうなく、6時間もバッテリーがもてば充分。
他のオーディオグラスは5時間~5.5時間くらいのバッテリー持続時間のものが多いので、6時間は長い方です。
【充電方法】オーディオグラスにとって理想的な充電ケース
本機はケース自体にバッテリーが搭載されているので、ワイヤレスイヤホンのように、ケースにメガネを収納するだけで充電することができます。


AnkerやHUAWEIのオーディオグラスは、ケース単体で充電することができないので、外出先でメガネの充電が切れたら使えなくなってしまいますが、Ray-ban storiesではまずその心配はないでしょう。
ケースの充電が満タンなら、メガネを3回フル充電することができます。



バッテリー持続時間6時間×3回フル充電で、バッテリーは実質18時間もつで!
ケースの充電は、ケース裏にUSB-Cを差し込んで行います。


充電中はケース表側のLEDランプが点灯します。LEDの色によってメガネ本体のバッテリー残量が分かります。
LEDの色 | バッテリー残量 |
---|---|
赤色 | 充電が必要 |
オレンジ色 | 充電未完了 |
緑色 | 充電完了 |
【防塵・防水性】定められていない
Ray-ban storiesには、防塵・防水性能を示す保護等級が定められていません。
そのため、どの程度ほこりや水に強いか分からないです。
体に身に着けるタイプのデバイスでぼ防塵・防水性能が記されていないのは致命的だと思いますが、普通に使う分には問題はないでしょう。
【メガネケース】シンプルだけど少し大きい
充電器を兼ねるケースは丸形で、JINSのメガネケースと比べるとやや大きめです。





持ち運ぶにはちょっと大きいなあ…
【総合評価】スペックは高いが…
様々な観点からRay-ban storiesを見てきましたが、総合評価は☆3.0。
スペックは高く、カメラが搭載された唯一のオーディオグラスということで、☆5.0をつけたいところでしたが、日本に対応していないので☆3.0にしました。
早く日本でも正式に発売してほしいですね。
Ray-ban storiesの注意点
Ray-ban storiesの注意点を2つ挙げます。
- 日本国内で取り扱いがない
- カメラがついているリスク
【注意点1】日本国内で取り扱いがない
Ray-ban storiesを日本で購入する際に注意しなければならないことがあります。
日本国内で取り扱いがないということです。
日本のRay-banの店舗に行っても置いてませんし、公式のオンラインショップでも買えません。
一応amazonで購入することは可能ですが、海外からの取り寄せになるので、
- 配送に1週間程度かかる
- 価格に輸送費や手数料が上乗せされている
といったデメリットがあります。
現地価格は299ドル(3万円程度)ですが、amazonの価格は57,900円となっており超割高です。現状は、現実的な選択肢ではないのかなと思います。
【注意点2】カメラがついているリスク


Ray-ban stories最大の強みは、カメラがついていて写真や動画撮影が可能な点。
最先端のガジェットではありますが、リスクがあると感じまず。
それがプライバシーの問題。
スマホで知らない人からカメラを向けられて良い気分の人はいないと思います。
Ray-ban storiesをかけているということは、常に周りの人にカメラを向けている状態ということです。
たとえ、撮影していなくても、見られている側にはそれは分かりません。
電車の中など公共の場で使用して、盗撮と疑われてもおかしくないと思いました。
Ray-ban stories実使用レビューまとめ


本記事は「【写真が撮れるオーディオグラス】Ray-ban stories実使用レビュー」について書きました。
まず最初に、Ray-ban storiesの基本スペックを紹介し、他メーカーのオーディオグラスと比較しています。
次に、5種類以上のオーディオグラスを試してきた私が、Ray-ban storiesを実際に使ってみたレビューをメリット・デメリットも含めて正直に書きました。
結論は、「最新のガジェットが好きな人にはおすすめ、オーディオグラスとしては日本で正式販売されるまで待った方が良い」です。