在宅勤務やオンライン会議用に、耳を塞がないメガネ型のスピーカー(オーディオグラス)が注目されています。
長時間イヤホンをしていると耳が痛くなりますが、オーディオグラスであればそういったデメリットはありません。
ブルーライトカットレンズを標準搭載しているものも多く、まさにパソコン業務に適したデバイス。
そんなコスパの良いオーディオグラスを探している人の選択肢の一つとして、Soundcore Framesがおすすめです。

本記事では、まず最初にSoundcore Framesの基本スペックを紹介し、HUAWEIとRazerの類似製品と比較しています。
次に、Soundcore Framesを実際に使ってみたレビューをメリット・デメリットも含めて正直に書きました。
本記事を読めば、Soundcore Framesの詳細なスペックだけでなく、リアルな使用感についても分かります。
Anker Soundcore Framesの基本情報
Anker Soundcore Framesのスペック
製品 | Soundcore Frames![]() |
---|---|
発売日 | 2022年6月1日 |
定価 | 19,990円 |
amazon価格 (2023年3月時点) | 19,990円 |
タイプ | メガネ サングラス |
レンズ交換 | 不可 |
重さ | 約41g |
防水規格 | IPX4 |
Bluetooth | 5.2 |
再生可能時間 | 最大5.5時間 |
充電時間 | 約1時間 |
充電端子 | 磁気充電ケーブル |
Bluetoothプロファイル | A2DP, AVRCP, HFP |
対応コーデック | SBC/AAC |
公式HP | ANKER |
Anker Soundcore Framesは2022年の6月に発売されたAnker初のオーディオグラス。
メガネ型のCafeと同時にサングラス型のLandmarkも発売されています。


レンズ交換はできないので、メガネからサングラスに、サングラスからメガネに切り替えることはできないので注意です。
Anker vs. HUAWEI

同時期に発売されたAnkerとHUAWEIのオーディオグラス
Soundcore Framesとよく比較されるオーディオグラスにHUAWEI Eyewearがあります。
製品 | Anker Soundcore Frames![]() | HUAWEI Eyewear![]() |
---|---|---|
発売日 | 2022年6月1日 | 2022年5月26日 |
定価 | 19,990円 | 32,780円 |
タイプ | メガネ サングラス | メガネ |
レンズ交換 | 不可 | 可能 |
公式HP | ANKER | HUAWEI |
Soundcore FramesとHUAWEI Eyewearは2022年のほぼ同時期に発売されています。
大きな違いは、Soundcore Framesがレンズ交換できない一方、HUAWEI Eyewearはレンズ交換に対応している点。
ただし、価格はHUAWEI Eyewearの方が1万円以上高いです。
Soundcore Frames唯一の弱点
Soundcore Framesはほとんど弱点がないですが、やはり唯一あげるとするとレンズ交換不可である点。
デフォルトの20%ブルーライトカットレンズを度入りレンズや偏光レンズに変えたくても帰ることができません。
そもそもレンズが外れません。
一方HUAWEI Eyewearは日本全国のOWNDAYS店舗でレンズ交換に対応しており、使い勝手という点では一枚上手。
Soundcore Framesはコスパ最強
Soundcore Framesは価格がHUAWEI Eyewearより1万円以上安いのに関わらず、音質や音漏れしにくさは上です。
これほどコスパの良いオーディオグラスはないと思います。
度入りレンズにする必要がないのであれば、Soundcore Frames一択というのが私の結論。
Anker Soundcore Framesを開封
Soundcore Framesを開封していきます。

この箱、けっこう大きいです。Ankerのモバイルバッテリーの箱と比べると分かります。

マグネットでくっついているトビラを開けると、Soundcore Framesがお出迎えです。Anker製品の箱を開けるときのワクワク感たまりませんね。

箱の中身は4点。

さらに開封して、以下の写真が全同梱物です。(写真に写っていませんがクリーニングクロスも付属します。

- メガネフレーム
- テンプル×2
- メガネケース
- クリーニングクロス
- 磁気充電ケーブル
- クイックスタートガイド
- 安全マニュアル
クイックスタートガイドと安全マニュアルは日本語にも対応しているので安心。

Anker Soundcore Framesの組み立て
Soundcore Framesは世にも珍しい組み立てるメガネです。

2つのテンプルは完全に独立しており、テンプル単体でも動作します。

組み立ては簡単で、テンプルをフレームに差し込むだけ。左右のテンプルをそれぞれフレームとつなげたら完成です。

Anker Soundcore Framesのレビュー
Soundcore Framesを実際に使って分かった正直なレビューを書いていきます。
項目 | 点数 | ひとことレビュー |
---|---|---|
外観 | 4.5 | テンプルが細いのが良い |
レンズ | 2.5 | 交換不可なのは残念 |
装着感 | 4.5 | フィット感が高い |
音質 | 4.0 | アプリで音質を変えられる |
音漏れ | 4.0 | プライバシーモードにすれば、音漏れを抑えられる |
操作性 | 5.0 | 両テンプルにタッチセンサー搭載で快適 |
アプリ | 5.0 | ほぼ完璧 |
バッテリー | 4.5 | だいたいスペック通りで満足 |
充電方法 | 3.0 | 専用の充電ケーブルがいるのは面倒くさい |
メガネケース | 4.0 | 折りたためるコンパクトなケース |
総合評価 | 5.0 | かなりおすすめ |
【外観】テンプルが細いのが良い

オーディオグラス全般の課題は「テンプルが太くなりがち」ということ。
例えば、Razer Anzuはテンプルの幅が2cmくらいあるので、家で使う分にはいいけど、外で使うと違和感があるかなと思ってしまいます。
テンプルが太くなる理由は単純で、テンプルにスピーカー、バッテリー、電子基板を搭載しているから。
このような課題は、オーディオグラスを開発している企業も認識していたようで、2022年以降に登場したオーディオグラスはテンプルが細いものが多いです。
Soundcore Framesもそのひとつで、テンプルの幅は1cm程度。

一般的なメガネと比べると太いですが、横から見て違和感を感じるほどではありません。

個人的にはテンプルのsoundcoreの文字がいらないと思いますが、高スペックと細テンプルを両立したAnkerの開発チームに敬意を表して☆4.5です。
【レンズ】交換不可なのは残念
Soundcore FramesのCafeタイプのレンズは度なしのブルーライトカットレンズです。
カットするブルーライトは20%で、正直私にはあまり効果が分かりませんでした。
一応、空の青色を反射しているので、ブルーライトカットなのは間違いなさそうです。

私はより強いブルーライトカットレンズに交換したいのですが、残念ながらSoundcore Framesはレンズ交換に対応していません。そもそもレンズが外せないようになっています。
Soundcore FramesのライバルであるHUAWEI Eyewearが日本全国のメガネチェーン店OWNDAYSでのレンズ交換に対応していることを考えると、レンズ交換ができないことは弱点と言えます。
HUAWEI Eyewearより価格が1万円程度安いことを考慮すると、妥当と言えば妥当ですが、使っている側からしたら不便です。
というわけで☆2.5とします。
【装着感】フィット感が高い
Soundcore Framesを最初にかけたときの感想は、「あ、これめっちゃフィットする!」でした。
頭を軽く振ったり、走ったりしてもズレることはありませんでした。
頭の形やサイズには個人差があるとはいえ、日本人にフィットしやすいと思います。
その理由は、鼻パッドが高めに作られているから。

例えば、RazerやBoseなど欧米のメーカーが作っているオーディオグラスは、欧米人の顔に合わせて作られていると思われます。
欧米人は鼻が高いので鼻パッドが低め。
Ankerは中国メーカーで、アジア人に合うように作られており、日本人にもフィットしやすくなっているというわけ。
本体の重さは41gで、他のオーディオグラスと比較すると軽めです。
Soundcore Framesより軽いオーディオグラスは私の知る限りHUAWEI Eyewearのみ。

実際にメガネをかけても、重いなーと感じることはまったくありませんでした。
軽さと多少の動きではまったくズレないフィット感があるので☆4.5です。
【音質】アプリで音質を変えられるのが良い
Soundcore Framesは後述するsoundcoreアプリで音質を色々変えられます。

まず1つ目の設定がオープンサラウンドモードのオン/オフ。
soundcore独自のデュアルスピーカー設計により、耳を塞ぐことなくコンサートのようなサラウンド効果を提供するモード。
テンプルの耳掛け部に、2つのスピーカーが内蔵されています。スピーカー1は耳の穴に向かった向きに、スピーカー2は耳の裏にあたる箇所についています。

2つのスピーカーから音が出るので、音に奥行きが生まれます。
それぞれのスピーカーを塞いだり、開けたりしながら調べたところ、オープンサラウンドモードをオンにすることでスピーカー2から出る音がより強化されることが分かりました。
それにより、さらなる音の立体感が生まれ、まるでコンサートホールやライブ会場にいるような臨場感ある音楽体験ができます。

2つ目の設定がイコライザーの切り替え。
次の5つが用意されており、気分や好みに合わせて音質を変えることができます。
イコライザ | 特徴 |
---|---|
デフォルト | ー |
アコースティック | 中音~高音強め |
ダンス | 高音強め |
ポッドキャスト | ボーカル強め |
クラシック | 立体感強め |
ワイヤレスイヤホンと比べるとどうしても音質は劣りますが、これだけ音質にこだわっているオーディオグラスは他にないので☆4.0とします。
【音漏れ】プライバシーモードにすれば、音漏れを抑えられる

【外観】のところでオーディオグラスの課題として「テンプルが太くなりがち」という点を挙げました。
オーディオグラスにはもうひとつ課題があり、それが「音漏れ」です。
オープンイヤー型のスピーカーである以上、少なからず音漏れはします。
Ankerも当然その課題は認識しているので、soundcoreアプリでプライバシーモードを設定できるようにしました。
プライバシーモードに切り替えることで、音漏れを抑制することができます。

どのような技術かは詳しく分かりませんが、私が気づいた点は以下の2点。
- 低音でプライバシーモードにしたら、静かな場所で近距離でも音漏れは聞こえない
- プライバシーモードにすると、音がこもる
静かな部屋でメガネを1m以内に置いて音漏れを検証しましたが、低音でプライバシーモードにしたときはまったく音漏れがしませんでした。
ただし、せっかくのオープンイヤー型のスピーカーなのに開放感は失われ、全体的にこもった音になります。
そもそも他のオーディオグラスにはプライバシーモードなどというものがないので、Ankerが頭ひとつ抜けているかなという印象。☆4.0です。
【操作性】両テンプルにタッチセンサー搭載で快適
Soundcore Framesは両テンプルにタッチセンサー搭載です。

タッチセンサーでできる操作と機能は以下の通り。これらはsoundcoreアプリでカスタマイズ可能です。
操作 | 機能 |
---|---|
ダブルタップ | 再生/一時停止、音声アシスタント |
スワイプ | 次へ、戻る、音量アップ、音量ダウン |
タッチセンサーだけで直感的に操作できる上、感度も良好なので文句なしの☆5.0です。
【アプリ】ほぼ完璧

Ankerのイヤホンといえば、soundcoreアプリ。
音質を調整したり、コントロールの設定を変えたり、多種多様なことができます。
ありがたいことに、Soundcore Framesもsoundcoreアプリに対応しており、様々なカスタマイズができます。
まずアプリを開いて「+機器を追加」を選択し、次の画面で「Headphone, Speaker, and Frames」を押します。


Bluetoothをつないだ状態で、Soundcore Framesが検出されたら準備万端です。ここまで1分。

以下がsoundcoreアプリのホーム画面。

soundcoreアプリは、シンプルで直感的に分かりやすく、初めての人でも簡単に操作できます。
- オープンサラウンドモードのオン/オフ
- サウンドエフェクトのカスタマイズ
- プライバシーモードの設定
- 装着検出のオン/オフ
- 装備補正
- タッチセンサー、その他機能のカスタマイズ
- ファームウェアの更新
- クイックスタートガイド、説明書の確認
このアプリの存在でSoundcore Framesは、本体のスペック以上の付加価値があると言えます。
Ankerが急成長した理由が分かった気がしました。さすがです。☆5.0。
【バッテリー】だいたいスペック通りで満足

項目 | スペック |
---|---|
バッテリー容量 | 110mAh |
充電時間 | 約1時間 |
再生可能時間 | 最長5.5時間 |
充電時間は約1時間です。実際に0%から充電してみましたが、1時間程度でフル充電になりました。
再生可能時間はスペック上では最長5.5時間。
スペックを確認するために、iphoneとBluetooth接続した状態で、音楽をかける、YouTubeを見る、ゲームをする、を続けてみて、どれだけバッテリーがもつか検証してみました。
結果、使用可能時間は5.8時間でした。

連続再生していたわけではないので、5.5時間は超えましたが、だいたいスペック通りかと思います。
普通に使用する分にはこれだけバッテリーがもてば充分なので、☆4.5です。
【充電方法】専用の充電ケーブルがいるのは面倒くさい
Soundcore Framesに不満な点はあまりないのですが、「専用の充電ケーブルがいる」ことは少し不満。
2つの端子がついた珍しい充電ケーブルです。

この2つのケーブル端子を、左右のテンプルの充電部分に接続します。磁石でバチッとくっつきます。

充電中はケーブル端子の裏側のライトが緑色に点灯します。充電が完了すると消えます。

充電自体は難しくないですが、専用の充電ケーブルが必要なのはちょっと面倒くさいので☆3.0です。
【メガネケース】折りたためるコンパクトなケース
いっけん財布のような見た目のメガネケースが付属しています。

ケースを開くと、中にSoundcore Framesがすっぽり入ります。


ケースの重さは116.3gで少し重いですが、コンパクトなので気になりません。

シンプルで使いやすいのでお気に入りです。☆4.0としました。
【総合評価】かなりおすすめ

Soundcore Framesは、オーディオグラスを探している人にはかなりおすすめです。
実際に使ってみましたが、不満な点はほとんどありません。
Anker初のオーディオグラスということでしたが、非常に高い完成度で仕上げてきたAnkerの技術力と本気度がうかがえる製品だと思います。
それでいて、19,990円という価格。コストパフォーマンスも抜群かと思います。
総合的に見ても☆5.0です!
他のオーディオグラスと比較したい人は次の記事がおすすめ。