スマートグラスとは?2023年現在できることは限られている

最近よく「スマートグラス」という言葉を耳にするようになりました。

スマートグラスはスマートフォンにとって代わる可能性があるデバイスとして注目されていますが、実際にどんな製品が出ていて、どんなことができるのか知らない人も多いと思います。

そこで、この記事では2023年現在、スマートグラスでできること、将来できるようになることを解説します!

目次

スマートグラスの定義

2023年現在、「スマートグラス」という言葉は曖昧な意味で使われているように感じます。

スマートグラスと聞くと最初に思い浮かぶのは、「レンズがディスプレイになっていて、実際に見えている景色に、インターネット上の写真や地図などのデータを重ね合わせて、ハンズフリーで必要な情報を得られるメガネ」ではないでしょうか。

スマートグラスのイメージ

ですが、先述したメガネはより正確に言うとARグラス、要するに拡張現実(Augmented Reality)の機能をもったメガネです。

ということは「スマートグラス=ARグラス」ってこと?

それなら分かりやすいのですが、話はそんなに単純ではありません。

2020年~2022年にかけて、メガネにスピーカーとマイクを搭載した「オーディオグラス」と呼ばれるようなデバイスが立て続けにFacebookフェイスブックHUAWEIファーウェイといった大企業から発売されました。

オーディオグラスにはディスプレイは付いておらず、もちろんAR機能もありませんが、スマートグラスに分類されます。

他にも、2021年にメガネブランドJINSジンズから発売されたJINS MEMEジンズ ミームは付けているだけでアプリで健康状態を管理できるというメガネですが、これもスマートグラスと呼ばれます。

ややこしいですが簡単にまとめると、メガネに追加で機能がついているもの全般をスマートグラスと呼んでいるということです。

下の図にスマートグラスの分類をまとめました。

現状はスマートグラスと言っても、一部の機能しか持たないものが多いので注意が必要です。特に拡張現実に関してはまだ実現していません。

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【2023年】スマートグラスでできること

2023年現在、スマートグラスでできることを実際のデバイスの例を見ながら解説していきます。

通話をする・音楽を聴く

現在発売されているスマートグラスの主な機能が「通話をする」、「音楽を聴く」です。

メガネにマイクとスピーカーが搭載されているようなスマートグラスを「オーディオグラス」と呼びます。

オーディオグラスの代表例が2021年にHUAWEIファーウェイがリリースした「Eyewearアイウェアー」です。

Eyewear Ⅱ

レンズはサングラスになっており、ディスプレイではありません。つまり、スマホの画面投影・ARといった機能は持ち合わせていません。

普通のメガネより太めのテンプル(つる)にマイク、スピーカー、バッテリーが搭載されており、Bluetoothでスマホと接続することで、通話をしたり、音楽を聴いたりすることができます。

音質はワイヤレスイヤホンと比べるとどうしても劣りますが、耳を塞がないオープンイヤー型になっているので長時間使用しても疲れにくいといったメリットがあります。

HUAWEIファーウェイ以外にも、モバイルバッテリーで有名なAnkerアンカーや音響機器メーカーBoseボーズ、ゲーミングデバイスを開発するRazerレイザーといった大手企業から続々とスマートグラスが発売されています。

様々な業界でスマートグラスが注目されていることが分かりますね。

→HUAWEI Eyewear IIレビューはこちら

写真・動画を撮る

写真や動画を撮影できるスマートグラスもあります。それがFacebookとRay-banが共同開発した「Ray-ban stories」です。

Ray-ban stories

こちらもレンズはディスプレイではないので、画面投影やARといった機能はありません。

ですが通話をしたり、音楽を聴いたりすることができるだけでなく、先ほど紹介したEyewearアイウェアーにはなかったカメラ機能がついています。

カメラがついているので、スマホを取り出さなくても写真を撮ることができたり、自分の目線の高さで動画を撮影したりできます。なかなかおもしろいデバイスです。

しかし、残念ながら現在Ray-ban storiesは日本で正式に販売されていません。つまり、Ray-banの公式ショップに行っても売ってないということです。

amazonなら購入することができますが、海外からの取り寄せになるので、輸送費や手数料が上乗せされて割高なのが現状。

早く日本でも発売されてほしいです!

→Ray-ban storiesレビューはこちら

健康管理をする

ここまで紹介した2つのスマートグラスとは打って変わったメガネを紹介します。それが「JINS MEMEジンズ ミーム」です。

JINS MEME
引用:JINS公式ホームページ

まず見た目が異なります。テンプル(つる)が細く、普通のメガネのようです。

理由は、テンプルにマイクやスピーカーが搭載されていないからです。そのため、通話をしたり、音楽を聴いたりすることはできません。

では、何ができるのかと言うと「健康管理」です。

鼻当て部分のコアと呼ばれる部分にに2つのセンサーとバッテリーが搭載され、コアに内蔵されたBluetoothで専用のスマホアプリと連携します。

センサーでは体の傾きや眼球の動きやまばたきを感知し、カラダとココロの状態を計測してアプリで確認できるのです。

→JINS MEMEの販売サイトはこちら

スマホやパソコンの画面を投影する

現状最もスマートグラスの完成系に近いのが、中国系ベンチャー企業Nrealエンリアルが開発している「Nreal airエンリアル エアー」です。

Nreal air
引用:amazon.co.jp

Nreal airは、見た目はサングラスのようですが、レンズの内側にディスプレイが搭載されており、空中にスマホやパソコンの画面を映し出すことができます。

身に着けるプロジェクター」といったところでしょうか。

視界にスマホやパソコンの画面を重ねるという点で近未来のデバイスですが、できないこともあります。

1つ目が本当の意味の拡張現実。

要するに、歩きながら目的地への道案内が表示されたり、視界に入ったお店の説明を読み上げたりといった機能はありません。

このような機能が実装されるのは、もうしばらく先になるでしょう。

2つ目がコードレス。Nreal airを使うには、コードを接続する必要があります。

はっきり言ってコードは邪魔です。

スマートグラスとして販売するならば、本体にバッテリーを搭載し、映像信号もワイヤレスで送れるようにするのはマストだと思います。今後に期待です…

とは言え、いつでもどこでも大画面でゲームをしたり、動画を観たりすることができるのは非常に魅力的なので、プロジェクターやディスプレイの代わりに使うのはアリだと思います

2023年現在、スマートグラスでできることをまとめました。

できることスマートグラスの例
通話をする・音楽を聴くEyewear Ⅱ
写真・動画を撮るRay-ban stories
健康管理をするJINS MEME
スマホやパソコンの画面を投影するNreal air

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スマートグラスで将来的にできるようになること

2023年現在はできないけれど、スマートグラスで将来的にできるようになることをを解説します。

拡張現実

拡張現実(Augmented Reality)は現実の視界に、資料や地図といったオンライン上のデータをリアルタイムで重ねて表示する技術です。

現在はいちいちスマートフォンを取り出して、お店の情報を調べたり、地図を確認したりしていますが、AR機能を持ったスマートグラスでは手を使わなくても自動的に視界に表示されます。

スマホを取り出す手間が省けるだけでなく、歩きスマホなどの危険性も減りそうですね!

視界の共有

目の前の視界をカメラで捉えることで、映像と音声を共有することが可能になるでしょう。

従来のカメラ機器を使った映像共有と異なるのは、自身の視界をそのまま共有できることです。

例えば、現場でトラブルが起こったときに、作業者と指示者が離れていても、同じ視界を共有しているので、より正確な情報伝達が可能です。

こうしたデバイスは、一般向けにはまだ発売されていませんが、すでに実際に導入している企業もあるようです。

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スマートグラスの市場予測

スマートフォンのように、スマートグラスが当たり前に使われる時代は来るのでしょうか?

一部の人が騒いでいるだけなのか、それとも本当にスマートグラスの時代がくるのか…

マーケット調査会社の富士キメラ総研が2019年に発表した資料によると、2030年のAR/VR機器の世界市場は16兆,7111億円(2019年比44.8倍)まで成長すると見られています。

その中でも特に、スマートグラスやヘッドマウントディスプレイといったデバイスが中心になっていくようです。

大企業の分析なので、信頼できます。

時代に乗り遅れないように、スマートグラスの動向は常にチェックしておきたいですね!

Appleスマートグラスの発売は2023年!?

iphoneでおなじみAppleがスマートグラスを発売しそうだとここ数年言われていますが、いまだに発表はありません。

ですが、リーク情報によると2023年の春~夏にもAR/VRヘッドセット「Reality Pro(仮称)」を投入するのではないかと言われています。

このデバイスはスマートグラスというよりは、Metaが販売しているVRヘッドセット「Meta Quest 2」に近いです。

では、Appleのスマートグラス「Apple glasses(仮称)」はいつリリースされるのでしょうか?

一部では2025年とも言われていますし、発売を無期限に延期したという噂もあります。

結局のところ、完全なスマートグラスというのは技術的に非常に難しく、開発がうまくいっていないのだと予想されます。

Apple glasses(仮称)がいつ発売されるかは正直分かりませんが、不可能を可能にしてきたAppleならいつかはやってくれるだろうと期待してしまいますね。

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【まとめ】スマートグラスは発展途上

本記事は「スマートグラスとは?2023年現在できることは限られている」について書きました。

2023年現在、スマートグラスはメガネに追加で機能がついているもの全般を指します。

それらの機能には音楽を聴いたり、健康管理したり、画面を投影したりといったものがありますが、まだ完全なスマートグラスというのは出てきていません

今後もGoogleやAppleといった超大企業がスマートグラスの開発を続けていくと思われます。どんなスマートグラスが登場して、生活がどう変わるのか、今から楽しみですね!

最後まで読んでいただきありがとうございます。

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